桜の古木から発見し、培養した独自乳酸菌「古桜乳酸菌(L. brevis KZ-1株)」を上市しました。
古桜乳酸菌とグルタチオン
古桜乳酸菌の大きな特徴として、グルタチオンの産生があります。
グルタチオンはL. fermentum など、ごく一部の乳酸菌のみが産生する事が知られています。一方で、弊社が昨年古桜から発見した植物乳酸菌「レヴィラクトバチルス属」の機能を分析したところ、グルタチオンを産生する珍しい株という事が分かり、いくつかの検証を経た上で今回の上市に至りました。
古桜の物語
旧津浪小学校の古木
古桜乳酸菌が発見されたのは、安芸太田町で廃校になった旧津浪小学校の校庭にある桜の古木。旧津浪小学校は、Foremaが本社として校舎を活用させて頂いている物件でもあります。
戦時中に植えられた
この桜の古木は、第二次大戦の開戦時に6年生だった児童らによって、卒業の記念樹として植えられました。当時10本植えられた桜は、その後の校舎移築工事による伐採や、台風による倒木などを経て、最後の1本を残すのみとなっていました。
植えた生徒たちは..
2024年の春、この桜を植えたという卒業生の方が来校されました。当時植樹した同級生らはすでに全員が他界しており、自分が最後なのだとおっしゃっていました。この桜を次の世代に繋いで欲しいとのお言葉を頂き、私たちもこの桜を守る旨をしっかりとお伝えしました。
天狗巣病に耐えていた
毎年見事な花を咲かせる古木は、加齢によって天狗巣病を患い、今後の弱体化が懸念されていました。2023年の秋に庭師の方に診て頂いたところ、幹も根もまだしっかりしており、十分健全さが維持されているとの事でした。そのまま天狗巣病の治療を行い、今年も見事な花を咲かせてくれました。
この古木が持つ生命力には、桜をとりまく微生物群系もきっと貢献してくれているのではないでしょうか。
※天狗巣病(てんぐすびょう)は、桜などの枝が異常に密集して生える病気です。その様子があたかも天狗の巣のように見えることから名付けられました。カビなど真菌が原因の1つ。
グルタチオンについて
グルタチオン(Glutathione, GSH)は、グルタミン酸・システイン・グリシンの3つのアミノ酸から構成されるトリペプチドで、哺乳類を含む多くの生物の体内に存在しています。とくに肝臓や免疫細胞、腸管上皮などで多く合成され、細胞内の恒常性維持に深く関与しています。
体内で合成されるため「非必須栄養素」に分類されますが、その生理機能の重要性は非常に高く、加齢やストレス、生活習慣によって体内濃度が低下することが知られています。
主な機能と働き
1. 抗酸化成分としての役割
- グルタチオンは細胞内で発生する活性酸素種(ROS)を還元的に中和し、細胞の酸化的損傷を防ぐ働きを持ちます。
- ビタミンCやEなど他の抗酸化物質と連携しながら、酸化ストレスのバランス調整に関与します。
2. 体内解毒(デトックス)反応への関与
肝臓などで行われる代謝物質や外来化学物質の解毒(抱合反応)に関わり、不要な物質の体外排出を助けます。
3. アミノ酸およびタンパク質代謝の補助
グルタチオンはタンパク質の合成・分解の調整や、硫黄含有アミノ酸(例:システイン)の貯蔵・供給源としての働きも持ちます。
4. 免疫応答の補助
免疫細胞の機能維持に重要な役割を果たし、T細胞やNK細胞などの活性とバランス調整に関与すると考えられています。
5. ミトコンドリアの機能維持
細胞のエネルギー産生を担うミトコンドリア内にも存在し、エネルギー代謝と酸化防御の両面で重要なサポートを行っています。