自然界との共存 / 微生物との共存
経済活動を通じて、生態系保全および、より良い社会の実現に貢献する企業を目指しています。現在はペット領域において下記の事業を展開しています。
- 1.腸内細菌の研究 / ヘルスケア事業
- 主には犬と猫を主軸とした腸内細菌/口腔内細菌の解析および、プロバイオティクスの開発、サプリメントの設計と販売を行っています。
- 2.プレミアムフード/EC事業
- 害獣として駆除されてしまった野生の鹿や猪を活用したペットフードの開発と販売を行っています。
一見全く関連のない2つの事業は「自然界との共存」という価値観の上に成り立っています。
腸内細菌の研究について

私たちは、腸内細菌をはじめとするマイクロバイオームの領域を、バイオやサイエンスではなく、生態系保全活動の延長線上にあるものとして捉えています。
土と繋がる体内生態系
マイクロバイオームとは直訳すると「ミクロの生物群系」。腸内細菌をはじめとする体内の微生物生態系を意味します。
土壌と腸内は、大枠においては複数の細菌グループを共有しており、また腸内細菌の多くは土壌細菌の末裔でもあります。食べ物や水、大気中の粉塵などを通じて常に体内を出入りする細菌たちは、土壌や環境と私達をつなぐメッセンジャー/パッセンジャーといえます。
急増する自己免疫疾患
20世紀後半から人間界で二次曲線的に急増しているアトピー性皮膚炎などの「アレルギー疾患」、そして喘息や炎症性腸疾患といった「自己免疫疾患」。これら原因不明の疾患には、「腸内細菌が深く関与している」ことが近年の研究で解明され始めています。(※2010年代から、ペットにおいても同様の不具合が急増しています)
こうした不具合の背景にあるのは、抗生物質の乱用を中心とした体内生態系の撹乱であり、結果として宿主の健康に大きな問題を引き起こしています。
自然破壊の結果として生態系がおかしくなるのと同じ構図です。
腸内細菌と抗生物質、土壌細菌と農薬
体内を殺菌する抗生物質と、土壌殺菌剤/殺虫剤は同じ構図です。
- 健康な体は健全な腸内細菌を介して栄養分を吸収し、同時に適切な免疫を保っています。
- 健全な野菜は土壌細菌や無脊椎動物らの活動の上で窒素やリン、微量栄養素を吸収し、害虫や疫病への抵抗力を維持しています。
体を守るための抗生物質や、野菜を守るための農薬によって細菌たちが壊滅し、結果として宿主の健康が損なわれ、さらには糞便や雨水を通じて自然界に流出しているという現実を、私たちは深く理解する必要があります。マイクロバイオームが生態系保全の延長にあるという理由が、まさにここにあります。
細菌類に優しい選択は、私たちの体にとって、また地球環境にとっても優しい選択なのは間違いありません。
(抗生物質や農薬は、正しく使用し、必要最低限に抑える必要あり)
プレミアムフード/EC事業について

私たちは、害獣として駆除された鹿や猪のお肉を、ペット向けの無添加食材として流通させています。根底にあるのは、自然界と人間界の紛争を軽減させたいという想いです。
命を決して無駄にしない
90年代末頃から目立ち始めている、野生鳥獣による農作物被害。過疎化や温暖化、人工林、野犬の減少、そして頂点捕食者の不在といった複数の問題が絡み合って表面化し、今なお解決の気配がありません。
いわゆる「有害鳥獣」とはあくまで人間の目線であり、それによって駆除された年間100万頭をも超える野生動物の9割がいまだ活用されず、埋蔵処分などで廃棄されている現実があります。これは野生動物の殺処分という倫理的な問題であると同時にフードロスという食料問題でもあります。
この問題の最適解は「捕食」。
自然界には基本的に無益な殺生は存在しません。害獣駆除も、それを食べる事によって「捕食」という自然界のルールに組み込む事が可能になります。野生の鹿猪のお肉はペットにとっての良質なタンパク源であり、健康課題の軽減にも貢献します。
駆除そのものを減らすには
私たちは野生動物を殺してほしくありません。本当に実現させたいのは、自然界と人間界の紛争でもある駆除そのものを減らすこと。野生動物の出没を減らす必要があります。そのためには
- 過疎地への若者の移住
- 山林の再構築(人工林問題/頂点捕食者不在の問題)
この2点が重要と考えています。里山における人間(+犬)の活動は野生動物の行動パターンに変化を与え、少なくとも人間のテリトリー/農地への出没抑制につながります。
同時に、かつて狂ったように植えられたまま放置されている人工林の伐採と広葉樹林の復元によって、最適な生態系を再構築しながら改めて「住み分け」の線引きを行っていくことは重要です。(その上で絶滅したニホンオオカミのポジションをどう埋めるのかを詰めていく必要あり)
私達は、すぐに着手できる事柄として、過疎地での雇用促進に着手しています。現在の本社社屋は2016年に廃校となった旧津浪小学校を活用しています。役割を終えた存在に再び光を当て、経済活動には不利な山間部過疎地で、新たな人材が集まる拠点として求心力を蓄積しています。
日本の自然と山林を愛する会社
私達は日本の自然と山林、そしてそこに住まう野生動物たち、そして樹木も含めた生物群系を広く愛しています。
私達にできることはまだまだ限られていますが、私たちが大きくなることによって、生態系全般、そして日本経済にとって良い影響を与えられるよう、日々尽力しています。

株式会社Forema:代表取締役 小泉靖宜