動物病院用の腸内フローラ検査

動物病院向け 犬・猫の腸内フローラ検査「byOm」提供開始

株式会社Foremaでは、犬・猫の腸内フローラ検査「byOm(バイオーム)」について、動物病院・獣医師向けの専用プラン(正式版)の提供を開始しました。

一般の飼い主さま向けに提供してきた腸内細菌解析をベースに、動物病院での活用を想定して解析内容を拡張。標準的な腸内フローラ解析だけでなく、症例や研究目的に応じて、調べたい細菌や指標を追加できることが大きな特徴です。

犬・猫の腸内フローラを、より詳しく調べる

動物病院専用の背景

犬や猫の消化管には、多種多様な細菌が生息し、「腸内フローラ(腸内細菌叢)」と呼ばれる複雑な微生物群集を形成しています。

近年では、犬猫においても慢性腸症や消化器症状、食事、投薬などと腸内細菌叢との関係について研究が進み、獣医療の分野でも腸内フローラへの関心が高まっています。

一方、一般的な診療の中で「腸内にどのような細菌が、どの程度存在しているのか」を詳しく把握する機会は、まだそれほど多くありません。

そこで、従来の「byOm」をベースに、獣医師が症例ごとに必要な情報を取得可能な動物病院向けプランを新たに設けました。

NGSによる16S rRNA遺伝子解析

byOmでは、次世代シーケンサー(NGS)を用いた16S rRNA遺伝子解析によって、検体中に存在する細菌群を解析します。

特定の細菌だけを調べる検査とは異なり、細菌叢全体の構成や各細菌の存在比率を捉えることで、

「どのような細菌群が形成されているのか」

「特徴的に増減している細菌はあるのか」

「細菌叢全体としてどのような傾向を示しているのか」

といった視点から腸内環境を評価します。

過去5年で蓄積した膨大なデータを活用し、標準治療とは全く異なる視点で現状の評価が可能です。

動物病院ごとに解析項目をカスタマイズ

動物病院向けプランでは、通常の解析レポートに加えて、獣医師からのご要望に応じた追加解析にも対応します。

例えば、

  • 特定の細菌・細菌群の存在比率
  • 短鎖脂肪酸に関連する細菌群やプロピオン酸産生ポテンシャル
  • LPS(リポ多糖)に関連する推定
  • KEGG経路を利用した細菌叢の機能推定
  • PCoA(主座標分析)による複数検体・群間の比較
  • 特定の疾患や症例群に着目したデータ比較

などが想定されます。

「この菌を詳しく見たい」「治療前後で腸内細菌叢がどう変化したのか比較したい」「複数症例をまとめて解析したい」といったご相談にも、内容を確認したうえで個別に対応します。

3,000頭を超える犬・猫の解析データを蓄積

Foremaでは、これまで3,000頭を超える犬・猫の腸内細菌・口腔内細菌を解析してきました。

単にシーケンスデータを取得するだけでなく、可能な範囲で疾患、食事、投薬履歴などの情報と合わせてデータを蓄積しています。

腸内フローラは個体差が大きいため、一つの細菌の多い・少ないだけでは評価が難しい場合があります。

そのため動物病院向けの解析では、必要に応じて蓄積されたデータとの比較や、類似した症例を踏まえた検討にも対応します。

複数のデータベースを利用して解析

16S rRNA遺伝子解析では、解析に使用するデータベースや分類方法によって結果が異なる場合があります。

Foremaでは一つのデータベースだけに依存せず、系統の異なる複数のデータベースを利用し、それぞれの結果を比較し、補完しながら解析を行っています。

特に犬・猫では、人を中心として構築された知見だけでは判断しにくい細菌も存在します。

自社で蓄積してきた犬猫の解析データや既存研究の知見と照らし合わせながら、結果を検討しています。

解析は自社研究施設「Forema Labo」で実施

Forema ラボでの腸内細菌解析のひとこま
Forema ラボでの腸内細菌解析のひとこま

byOmの腸内フローラ解析は、自社研究施設「Forema Labo」で行っています。

Forema Laboは、山口大学との共同研究を経て2021年に設立しました。

犬・猫を中心に腸内細菌や口腔内細菌の解析を続けているほか、タイリクオオカミ、ツキノワグマ、ニホンザルなどの野生動物、鳥類、昆虫、土壌・水などの環境微生物についても解析を行っています。

また、自然界から微生物を分離・培養し、プロバイオティクス候補となる菌株の探索や研究開発にも取り組んでいます。

こうした日々の研究で得られた知見を、犬猫の腸内フローラ解析「byOm」にフィードバックしています。

慢性腸症など、症例に合わせた腸内細菌解析へ

犬猫の腸内フローラについては、研究が進む一方で、まだ分かっていないことも数多くあります。

そのためForemaでは、「特定の菌が多ければ病気」「この数値なら正常」といった単純な判定ではなく、細菌叢全体の構成やその個体の背景情報を含めて考えることが重要だと考えています。

今後は、慢性腸症をはじめとした特定の症例にフォーカスした解析項目や、治療・食事変更前後の比較解析など、獣医療の現場で利用しやすい解析メニューを順次拡充していく予定です。

動物病院・獣医師の方へ

「通常の検査項目以外の菌を調べたい」

「複数症例の腸内フローラを比較したい」

「治療前後、食事変更前後の腸内細菌叢を確認したい」

「研究・症例報告用の解析について相談したい」

といったご要望にも対応しています。

解析内容について決まっていない段階でも構いません。調べたい内容や症例についてお知らせいただければ、解析方法を含めてご相談を承ります。

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